高等教育

【連載第1回】Lポートフォリオについて

高等教育企画室ではLポートフォリオの改善・活用促進のための一方策として、ポートフォリオに関する連載を開始いたしました。その第1弾として、人間発達文化学類の平中 宏典先生よりご寄稿いただきました。

1.Lポートフォリオの活用事例

私は,Lポートフォリオを主としてコース学生との面談に際して活用してきました。各セメスターで実施する面談では,学修状況(資格等に関わる内容を含む),課外活動の状況(アルバイト,サークル活動,インターンシップなどへの取り組み等),就職に関する状況(実現に向けた取り組み)について触れています。

学修状況については,“学修成果シート機能”のセメスター目標と前セメスターの活動成果を確認し,“プロファイルシート機能“を活用して取得単位状況のほか個別科目に関する状況などと合わせて,目標達成に向けての取り組みを支援しています。

課外活動や就職に関する状況については,“キャリアノート機能 自己認識、目標”で,資格や学びの目標などを確認するようにし,入力された新しい情報で対応するように心がけています。これまでの状況をともに振り返りながら,学生の特性に合わせるように心がけるようにしています。

これらの活用にあたっては,対象となる学生に入力してもらうことが前提になるため,スタートアップセミナーや問題探究セミナーⅠ・Ⅱなどで,面談前には入力をということを呼びかけてきました。振り返りの重要性についてスタートアップセミナーで取りあげてきたこともあり,入力のタイミングをそのような機会として意味づけすることで,これまでは高い入力率を保ってきました。

しかし,4セメスターから定期的な授業がなくなり,コース学生と会う機会が減ったため入力率が7割程度となってしまいました。面談のタイミングが遅くなってしまい,呼びかけが難しかったところがあったため,セメスターの早いうちに実施するのが肝要だなと考えているところです。

 

2.Lポートフォリオの使い勝手

人間発達文化学類ではLポートフォリオ導入以前,冊子体の学習ポートフォリオに記入してきました。学生の記入後,確認できるタイミングが少なく活用しにくい問題を抱えていました。その点,Lポートフォリオは必要な場面で内容を確認することができるため,活用はしやすくなったと考えています。内容についてもこれまでと項目は違いますが,同等かそれ以上の内容を書き込むことができるため,振り返りの材料としては適していると考えています。2020年度前期は遠隔での面談実施(zoomを使用)となりましたが,対面での面談と同様に取り扱うことができるのは良かったと考えています。

その一方で,1ページの項目が長く羅列し入力・閲覧がしにくい面があるほか,ページ全体を読み直すことが多いため,反応速度については改善していただけると,使い勝手がさらに良くなるのではないかと考えます。

 

3.Lポートフォリオに今後期待すること

内容については,現状では面談に際して学生自身が考えたことなどを記録として残すことができないため,そのような項目を設定することも考えられそうです。

操作に関して活用しやすくするという点では,面談に使いやすいインターフェイスも用意していただければありがたいと考えています。例えば,学修成果シート,キャリアノート,プロファイルシートから必要な項目を選択表示できるようにし,ダッシュボードのような形で利用できると利便性がより高まると考えます。

細かい点では,“学修成果シート”については,基盤教育と専門教育を別ページでしか表示できないため,目標・成果を1ページ内に並べて表示可能にすると利便性が向上しそうです。また,“キャリアノート”については1ページが長すぎるため,タブなどを利用してセメスターごとに分けて表示できるようにしていただけると,入力する側も閲覧する側も利用しやすくなるのではないかと考えます。

今後,多くの先生方の利用経験を基により良いシステムになっていくことを期待しております。